じゅんななな本です。
op.とAnhangで紡がれる純那とななのいつもの日常が、軽妙なタッチでこれでもかと描かれています。
朝起きて最初に見るルームメイトがそばにいるだけでどうして胸が高まるのか。わずかな不調を何も言わなくても理解してくれるのはどうしてか――。その理由はとても簡単です。それだけの時間を一緒に過ごしているからです。
ちょっとした気遣いがただ単純にありがたく、他愛のないお願いを懸命に叶えてくれるのが嬉しくて、ふたりはいつも笑顔でいられます。とはいえ、言いたい気持ちと言えない想いが胸中で渦巻いてしまい、ついつい突き放してしまうこともあります。
けれども、ふたりの合奏にダ・カーポやダル・セーニョがあったとしても、ふたりの間にある見えない絆が解けることはなく、胸中でたぎる情熱は決して消えることはないのです。
とにもかくにもじゅんなななへの愛に満ちているどころか溢れている様は一読の価値ありです。
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