感想:『あなたと○○○』39様

2020年3月8日日曜日

感想 少女☆歌劇レヴュースタァライト

t f B! P L

『少女☆歌劇レヴュースタァライト -Re LIVE-(スタリラ)』に登場する音無いちえと夢大路文メイン(いちふみ)の小説本です。表紙イラストは環月紙袋様。
※本作はスタリラのストーリーのネタバレを含む内容となっています。


  • あたしと文と料理
音無いちえは舞台を理由に文の家に泊まることになりました。そんないちえが見つめているのは料理をする文の背中。調理と連動してリズミカルに動く髪。時間が経つとともに部屋に満ちてくる匂い。いつも騒がしいいちえがさらにヒートアップしてしまうのも、必然と言えるのかもしれません。

  • 私といちえと勉強
慣れていない勉強をいちえはすぐに投げ出してしまいます。文がたしなめつつも、いちえはマイペースを崩しません。口では新しくできた友人を告げつつ、自分の知らない音無いちえが存在していることを知った文は、動揺をしてしまいます。当たり前のことなのに、と独りごちながら。

  • 二人の真面目な話
いちえは思慮します。もしも、文に会えなかったらどうなっていたんだろうか、と。自分達の歩むべき道にそそり立つ避けられようもない壁。それを乗り越えるため、いちえは文に声をかけました。その出会いは偶然であったのかもしれませんが、その邂逅がそれぞれに影響を与えたことは間違いありません。舞台を降りた少女は再びステージに立ち、舞台を諦めかけた少女は再度舞台少女としてスポットライトを浴びることができるようになりました。

ある意味で終わり、そしてある意味で始まった5人の新しい毎日をこれまでと同じく過ごす中、文はふと感じていた違和を珠緒に明かします。文の言葉を聞いた珠緒がある可能性を指摘した途端、文は苦い顔をしそんな文を見た珠緒は思わず笑ってしまいます。そんなふたりに珠緒は、食事の買い出しに行って欲しいと告げます。「今から真面目な話をするわ!」帰路の途中、立ち寄った公園で文が言葉を紡ぎます。いちえには伝えなくてはならないことを、そしていちえだから伝えられることを。

  • いちえと文と二人鍋
「ただいまっ、ふーみっ」帰宅早々文に飛びつくいちえ。そんないちえをたしなめつつも、文は嫌がる素振りを見せません。いちえのテンションが普段より高いのは、共に過ごす文を褒められたから。そのあまりにもストレートすぎるいちえの物言いは文にダイレクトに響き、いつの間にか相好を崩してしまうのもしかたがないことなのかもしれません。


それぞれの視点でそれぞれを語る展開で、全体的にいちえと文とにフォーカスされており、他には珠緒がほんのりと登場するのみの小説本となっています。
印象的な表紙イラストはもちろん、最後の章タイトルのみひと文字飛び抜けていることが、ふたりの関係がこれまでよりも一歩前進したかのように思えました。また、えてして鍋にはポン酢が欠かせないように、誰よりも真面目に向き合っている文には、ほどよく脱力させてくれるいちえのような存在が、必要なのかもしれないとも思いました。

このブログを検索

書きたいもの

プリンセス・プリンシパル
・プリンセスとドロシーが協力してアンジェに迫るお話
・ドロシーとベアトリスが子作りに励むお話(現パロ)

少女☆歌劇 レヴュースタァライト
・田中ゆゆ子メインの凛名館もの
・夢大路栞メインのやちしおもの

QooQ