感想:『The Tales of the Doves』(瓜様)

2019年5月12日日曜日

Mission in Casablanca プリンセス・プリンシパル 感想

t f B! P L

チーム白鳩に主軸が置かれている短編小説が4本収録されている作品です。

Marble」「最高から二番目の」「Break&Faith」はpixivに投稿されているものの再録、「告白の泉」は書き下ろしのタイトルとなっています。

  • Marble
カサブランカへと足を運んだ一向は、これまでとは比べられないほど落ち着いた時間を過ごしています。今まで過ごしていたアルビオンとは異なる風景や空気はこれまで見ることのなかった等身大の少女達の様子を見るまたとない機会となりました。そんな中でも、変わらないものがあります。

「アルビオンに戻ったら、また人目を気にしなければならなくなるでしょう?」プリンセスの願いはアンジェとふたりだけで同じ時を過ごすこと。ちせと言葉を交わし、ドロシーと空間を共有し、そしてようやくふたりだけの時間ができました。

口から出てくるのはこれまでため込んでいた想い。プリンセスとアンジェ。他には誰もいない状況で、お互いの情意は、お互いをこれでもかと刺激しあいます。

  • 最高から二番目の
ドロシーがひとり酒をたしなんでいるその時、プリンセスが姿を現します。「少し、いただいてもいいですか?」ドロシーには否定するだけの理由がありません。酒を用意してもらい喉を潤したプリンセスは、これまで蓋をしていたかつてをゆっくりと紡ぎ始めました。それはきっとアルビオンという慣れた場所ではなく、カサブランカというプリンセスではない自分をさらけ出せる場所だからなのでしょう。

宴も終わり、プリンセスの部屋までついていくことにしたドロシーは途中でアンジェと対面します。冷たい視線を浴びつつも、ドロシーはプリンセスを託します。彼女はもしかすると、それが最高だとどこか感じ取っていたのかもしれません。

  • Break&Faith
プリンセスの周囲に不穏な動きが在ることを察知したチーム白鳩は、彼女が参加するパーティーにて暗躍を重ねます。存在していることが把握されていても、何をしているかを気取られないように。目的のためなら、級友を利用ことすら厭いません。

最善が何も起きないことであれば、次善は何か起きたとしてもプリンセスに怪我がないようにすること。恐れていた事態が発生し、アンジェは咄嗟の行動に出ます。それがたとえ、激しい痛みが伴うものだとしても。

その後、目を覚ましたアンジェに、プリンセスは詰め寄ります。どうして自分の行動を諫めたのかと。最初は抵抗していたアンジェですが、最終的には口を開くことになりました。「それは……」

  • 告白の泉
ある日、ベアトリスは自分が耳にした噂をチーム白鳩に伝えます。それはチームを突き動かすほどのものではありませんでした。しかしながら彼女たちは各々その噂の場所におとずれ、誰もいないからか、ついつい長広舌を披露します。その言葉には以外の目的があるようで――。


快作ばかりが詰め込まれた本で、プリンセスとアンジェに焦点を当てながら、彼女たちの周囲にいるキャラクターの活躍の場がしっかりと描写されていて、読み応えのある作品集となっています。

このブログを検索

書きたいもの

プリンセス・プリンシパル
・プリンセスとドロシーが協力してアンジェに迫るお話
・ドロシーとベアトリスが子作りに励むお話(現パロ)

少女☆歌劇 レヴュースタァライト
・田中ゆゆ子メインの凛名館もの
・夢大路栞メインのやちしおもの

QooQ