アンプリ、つまりアンジェとプリンセスが登場する小説本です(未成年の購入・閲覧はできません)。そしてオメガバース要素もあります。
最も親しい友から、唯ひとりの恋人となったプリンセスからの『お誘い』をアンジェは拒否できません。初めてのお泊まり、それまでとは違う関係であることを意識しているアンジェは触れることさえためらってしまいますが、プリンセスはそれがお気に召しません。「私に魅力を感じない?」「そ、そんな事ない!」アンジェはプリンセスにまるで敵いません。
アンジェはαでした。そしてそのことを痛いほど理解しています。最愛の人が隣にいるという状況に、湧き出る欲求を抑えられません。幼い時とはまるで違います。自分がそうであり、そしてだからこそダイレクトに欲情が伝わってしまうことを理解しています。そこはあまりにも敏感で、プリンセスの言葉ひとつで我慢の限界を迎えてしまうほど。華麗であるからこそ汚してはならない――そう思うアンジェに反しプリンセスは積極的です。
ようやく自分を保てるようになったアンジェは攻勢をかけたとしても、プリンセスの一糸まとわぬ姿を見て、触れてしまえば湧き上がる欲求を抑えられるわけがありません。ひとつになったアンジェが蕩けたプリンセスにどうして耐えられるでしょうか。さしものアンジェも連戦に疲れ気味です。そんなアンジェにプリンセスの言葉が刺さります。「いいのよ、代わりに私が頑張るから」その言葉を機に、立場が逆転します。そう、アンジェはプリンセスにまるで敵わないのです。
ふたりがお互いにお互いを大切にしているからこそ湧き出るその望み、そしてその差を的確に描写し、なおかつタイトルが長い作品だと思いました。