感想:『Cohabitation Collaboration』らずーり様

2018年9月17日月曜日

Lilium Dream Mission 01 プリンセス・プリンシパル 感想

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プリンセスとアンジェが同棲するいわゆる現パロ小説本です。(初夜編は未成年の購入・閲覧はできません)。

プリンセスとアンジェが同棲する――正直に言えばこの一文でこの作品は語ることができます。プリンセス・プリンシパルフリークにしてみればこれ以上に何かを足すのはそれこそ蛇足ならぬ蜥蜴足ではないのかと思えてくるほどですが、折角なのでがんばります。



同じ大学に合格したふたり。そんなふたりは一緒に居を構えることになります。ふたりが選んだのは海がそばにある、ちょっと手狭な物件。家具家電の配置すらひと苦労しそうですが、プリンセスはまったく気にしません。「傍にいられるから狭い方がいいな」はたからすれば惚気以外の何者でもありませんが、ふたりは付き合っていません。お隣さん同士の関係です。

お互いの両親にさえ認められている仲は最初からあったわけではありません。それまでにいくつもの出来事を重ねて、だからこそ紡がれたのです。お芝居のお姫様が自分にとっての本当のプリンセスになったことは偶然であっても、以降自分の心の中に蓄積されていく想いだけはただ偶然と表現できるものではありません。幼いがゆえに伝えられなかったその想いは月日を重ねるごとによりお姫様へと近づくプリンセスが告白された際にも胸を走ります。まるで汚泥とも言えるそれが存在感を増すたびに、プリンセスの輝きも弥増すのです。

本当にふたりだけの生活が始まり、ふたりは言葉を紡ぎ、行いを重ねていきます。ふたりはいつもそばにいて、だからこそ口にできない気持ちだけが膨れていきます。意を決して口から出た言葉が誤解を生み、それを訂正できぬまま季節だけが過ぎていきます。ふたりはひとつ屋根の下にもかかわらず、その距離はきっと地球と太陽よりも離れているようにさえ感じていたに違いありません。

想いを伝えることのなんと難しいことか。想いを伝える長広舌のなんと美しいことか。想いが伝わったことのなんとすがすがしいことか。かつて交わしたプリンセスとの約束。それを果たすことで、眼前からいなくなることで理解できた彼女の大切さを経て、そうしてようやく、ふたりはひとつになる覚悟を胸に抱いたのです。おそらくはペンギンとオオサンショウウオのぬいぐるみとともに。

長々と書きましたが全ては一言に要約できます。”読んで、そして悶えるしかない”と。初夜編の内容については"読め"としか言えません。それでも何か書くとすれば、その時ふたりははじめて、ひとつになれたのですとでも表現しておきます。

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書きたいもの

プリンセス・プリンシパル
・プリンセスとドロシーが協力してアンジェに迫るお話
・ドロシーとベアトリスが子作りに励むお話(現パロ)

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