pixivに投稿したもっとも古いストライクウィッチーズの二次創作です。昔の文章ってのはなかなか、こう、すごいですね(困惑)。
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=328738
エイラ・イルマタル・ユーティライネンはサーニャ・V・リトヴャクのことが好きだ。とてつもなく大好きだ。
祖国スオムスでは「ダイヤのエース」と呼ばれ、トップエースの座に君臨している。少しだけ先の未来を視ることのできるエイラはこれまでネウロイの攻撃を受けたことはない。だが、そんなダイヤのエースはサーニャの前ではガラスになってしまうようだ。
好きなのに、その想いを伝えられない。そんな日が続いている。
第501統合戦闘航空団で出会って以来、ふたりはいつもそばにいた。途中で扶桑からの妙な新入りが割って入ってきたが、それでもふたりが一緒にいた時間にはかなわないだろう。夜間哨戒を終えて帰ってきたサーニャがエイラのベッドに間違えて倒れこんでくることがあるが、それはサーニャがエイラを信頼しているだと言える。そんなサーニャにエイラは毎回悪態をつきつつも、優しい微笑みで見守っている。
エイラはせっかくの非番の日だと言うのに、なにをするわけでもなくベッドに横たわっていた。
今朝は珍しくサーニャがベッドに倒れこんでくることはなかった。そういう日もあるのだろうと言い聞かせるが、気分は一向に明るくならない。理由は多分、雨が降っているからだ。
「サーニャ……」
わざわざ誰もいないことを確認してからそうつぶやく。ここは自分の部屋で、他に誰もいないというのに。他のウィッチはそれぞれ担当の持ち場についているというのに。それでも確認したくなった。この気持ちが誰にもバレないように。
サーニャのことを思うとどうしてだが胸が苦しくなる。しめつめられるような、やかれるような感覚。これまでにも何回も体験してきた。
確証はないが、これはきっと恋なのだとエイラは思っている。
「サーニャ――」
ただ名前を呼ぶだけなのに。それだけなのにとても苦しくなる。心臓が早鐘を打つ。
この胸の高鳴りが恋でなければ、一体なんなのであろうか。
雨はいつまでもやみそうになかった。
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